
第5回お遍路巡礼記録(後編)
~特別版 最新EVと巡る四国お遍路 ~

後編となる2日目は、愛媛県宇和島市からスタートします。
シーライオン7のおかげで移動はとても快適。
でも、「GENNAiだったら、この坂はドキドキだったなぁ」
「ここで充電作戦会議かな?」なんて話しながら走るのも、
今回の比較検証ならではの楽しみでした。
さて、後編はいよいよ"遍路ころがし"で知られる岩屋寺へ。
シーライオン7はどんな走りを見せてくれるのでしょうか。
そして、GENNAiの待つBYD高松へ無事に帰還できるのか?
それでは、後編スタートです!
第四十一番 稲荷山 龍光寺
宿泊地を後にし、2日目最初の札所である「龍光寺」へ到着。
ところが、駐車場へ続く参道には「幅員1.9m」の表示が…。
シーライオン7の全幅は1,925mm。
「これはちょっと厳しいかな?」と途中まで挑戦したものの、
安全第一で断念し、参道入口付近へ駐車することにしました。
こんな時は思わず、「GENNAiだったら楽々通れたのになぁ~」。
全幅1,580mmのコンパクトなボディが少し恋しくなった
瞬間でした。
龍光寺は、稲荷大明神と弘法大師信仰が融合した全国でも
珍しい札所。境内には鳥居があり、その奥には稲荷神社も
鎮座するなど、神仏習合の面影を今に伝える趣深いお寺です。
さらに境内で見つけたパラボラアンテナが気になり、
納経所で尋ねてみると、ご住職がアマチュア無線を楽しまれ
ているとのこと。
モールス通信も現役で運用されているそうで、思いがけない
話に盛り上がりました。
お遍路は札所を巡るだけでなく、こうした旅先での新たな
発見や出会いも魅力の一つですね。



第四十二番 一か山 佛木寺
龍光寺からほど近い第42番札所「佛木寺」へ。
立派な山門が参拝者を迎え、境内には家畜堂も建立され
ていることから、「牛の寺」として親しまれている札所
です。
お遍路をご経験されたことのない方もいらっしゃると
思いますので、ここで私たちが行っている基本的な
参拝作法をご紹介します。
まずは山門で一礼し、手水舎で手と口を清めて境内へ。
本堂ではロウソクと線香をお供えし、納札を納めた後、
経本に沿って開経偈、懺悔文、三帰、三竟、十善戒、
発菩提心真言、三摩耶戒真言、般若心経を読経し、
最後にその札所の御本尊の真言をお唱えします。
続いて大師堂でも同様にお参りを行い、弘法大師へ
感謝の気持ちを込めて手を合わせます。
参拝後は納経所で納経をいただきます。
納経は納経帳のほか、掛軸や白衣などに記していただく
こともでき、巡礼の大切な証となります。
また、各札所では御本尊のお姿が描かれた「御影」
もいただくことができ、お遍路ならではの楽しみの一つ
です。
私たちは主に納経帳を使用していますが、メンバーの
中には掛軸で巡礼を続けている者もいます。
巡礼を始めた頃は作法を覚えるだけで精一杯でしたが、
何度もお参りを重ねるうちに自然と身に付き、
一つひとつの所作にも心を込められるようになって
きました。
佛木寺の静かな境内で、お遍路の基本を改めて振り返ることができた参拝となりました。次の札所を目指します。
第四十三番 源光山 明石寺
佛木寺を後にし、第43番札所「明石寺」へ。
広々とした境内と落ち着いた雰囲気が印象的なお寺です。
境内には樹齢数百年ともいわれる「夫婦杉」が
そびえ立ち、寄り添う姿は夫婦円満や良縁の象徴
として親しまれています。
静かな境内を歩きながら、心穏やかな時間を過ごすこと
ができました。
そして、参拝を終える頃には、車も人もちょっと
お腹が空いてきました(笑)。
そこで「道の駅 どんぶり館」へ移動し、シーライオン7
は急速充電、私たちは昼食タイムです。
到着時のSOCは51%。昨日、岩本寺で充電して以来
ここまで無充電で走行してきましたが、まだ半分
以上のバッテリーを残していました。
このまま巡礼を続けることも十分可能な残量でしたが、
この日は最終的に高松まで帰る予定だったため、
ここで余裕を持って充電することにしました。
今回利用したのは240kW級のFLASH超急速充電器。
充電開始直後はシーライオン7の受電能力いっぱいに
近い110.6kWで充電を開始し、約30分弱の昼食時間
でSOCは51%から87%まで回復しました。
充電終了時には出力は51.5kWまで低下していました。
これは電気自動車の特性で、SOCが高くなるにつれて
バッテリー保護のため充電出力を徐々に下げる
「充電カーブ」によるものです。そのため、急速充電
は20~80%程度の範囲で利用するのが最も効率的
とされています。
今回利用したFLASH充電器は従量課金制のため、
料金は充電した電力量に応じて決まります。
一方、時間課金制の充電器では、SOCが高くなって
充電出力が低下した状態でも時間に応じて料金が加算
されるため、この充電特性を理解して利用すると、
より効率的な充電計画を立てることができます。
車も人もエネルギー満タン!ここからはいよいよ標高が高くなり、山岳札所へ。


第四十四番 菅生山 大寶寺
道の駅どんぶり館で車も人もエネルギーを補給し、
第44番札所「大寶寺」へ向かいます。
大寶寺は標高約560mの久万高原に位置し、
「四国霊場の関所」とも呼ばれる歴史ある札所です。
弘法大師が修行されたと伝わる山寺で、杉木立に
囲まれた境内は、街の喧騒を忘れさせてくれる
静寂に包まれています。
境内へ足を踏み入れると、苔むした石碑やお地蔵さん
があちらこちらに佇み、長い年月を重ねてきた風情
を感じます。山寺ならではの澄んだ空気も心地よく、
時間がゆっくり流れているような感覚になりました。
お寺へ向かう最後のアプローチは道幅が狭く、
大きな車は手前の駐車場を利用するのがおすすめです。
しかし私たちはその案内を見逃し、そのまま上へ(笑)。
途中には急なヘアピンカーブが一か所あり、
全幅1,925mmのシーライオン7ではなかなかの緊張感。
それでも360°カメラにも助けられ、無事に駐車場へ
到着することができました。
こんな狭い道なら全幅1,580mmのGENNAiの方が得意
そうですが、その先に待つ山道や急勾配を考えると、
今回はシーライオン7の余裕ある走りが頼もしい存在。
どちらにも得意分野があることを改めて実感しました。
静かな境内で心を落ち着かせて参拝を終え、いよいよ
今回の旅最大の難所、「遍路ころがし」として知られる
第45番札所・岩屋寺へ向かいます。
第四十五番 海岸山 岩屋寺
そしてBYD AUTO 高松へ
いよいよ今回の旅、最後の巡礼地となる第45番札所
「岩屋寺」へ。
岩屋寺は「遍路ころがし」と呼ばれる難所の一つ
として知られ、切り立った岩壁に抱かれるように建つ
山岳霊場です。
駐車場には「本堂まで徒歩約20分」の案内があり、
ここからは車ではなく、自分の足での修行が始まります。
石段を登る途中には小さなお土産屋さんがあり、ここで
オロナミンCを購入してエネルギーチャージ!
「あと少し!」と気合いを入れ直し、再び石段を
登ります(笑)。
ようやく境内へ到着すると、巨大な岩壁に寄り添うよう
に建つお堂や奇岩が迎えてくれ、まさに山岳霊場
ならではの神秘的な雰囲気です。
岩屋寺の見どころの一つが、岩壁に架けられた急な
はしごを登って参拝する「岩屋(法華仙人堂跡)」。
切り立った岩肌を間近に感じながら登るスリルと達成感
は、岩屋寺ならではの貴重な体験です。
ただし危険箇所でもあり、現地には「一人ずつ昇降
すること」「一度に三名以上は登らないこと」
「手すりに体重を掛けないこと」などの注意事項が
掲示されています。挑戦される方は、安全第一で
無理をせず参拝してください。
さらに名物の「穴禅定(あなぜんじょう)」では、
薄暗い岩窟の中を進みます。ひんやりとした空気と静寂
に包まれながら歩いていると、不思議と心が洗われる
ような感覚になり、日常の喧騒を忘れさせてくれる
神秘的な空間でした。
読経と納経を終え、これで今回予定していた第45番
札所までの巡礼が無事に完了。BYD シーライオン7
による「特別版」も、いよいよフィナーレです。
帰りは高速道路を利用して一路高松へ。約700kmに
及ぶ2日間の旅でしたが、シーライオン7は終始快適
そのもの。静かな車内と力強い走り、高速道路での
安定感、そして優れた航続性能のおかげで、最後まで
安心して走り切ることができました。
夕方、BYD AUTO 高松へ到着し、2日間お世話に
なったシーライオン7を返却。店長さんへ旅の様子
や電費、充電性能など今回の検証結果を報告しながら
談笑し、無事にミッション完了です。
そして、お留守番を頑張ってくれたGENNAiと再会。
最新EVならではの快適性や航続性能には驚かされ
ましたが、約50年前のVWビートルをコンバートした
GENNAiには、最新EVにはない運転する楽しさや、
旅の相棒としての味わいがあります。
今回の旅は、「どちらが優れているか」を競うのでは
なく、それぞれの魅力や得意分野を体感することを
目的とした検証でした。約700kmを走ったからこそ
見えてきた「ここはもう少し頑張ってほしいなぁ」
というポイントもありましたが、それは店長さんへ
こっそりご報告(笑)。
検証だからこそ、良いところも気になるところも率直
にお伝えし、さらに魅力的なクルマへと進化してくれる
ことを期待しています。
今回の特別版を通して、最新EVの実力を存分に体感
するとともに、GENNAiの魅力も改めて再認識する
ことができました。
さて、今回の特別版はこれにて終了。次回のお遍路は、
きっとGENNAiが「今度こそ僕の番!」と首を長くして
待っていることでしょう(笑)。
またコンバートEVならではの、
ゆっくり・のんびり・でも思い出いっぱいのお遍路旅
をお届けしたいと思います。
どうぞお楽しみに!


